Partager

04話 入浴とお着替え

Auteur: グラマス
last update Date de publication: 2026-04-05 16:18:08

「ここが大浴場となっています、クロエ様!」

 案内された場所は石造りされたドーム状となっていて、天井は開閉式みたいで、今は天気が良いから露天風呂状態となっている。

 一度に数十人以上が浴びれる様に、壁にはシャワーが付いているだけでなく、中央には円形の大浴槽が備わっていた。

 健康的な体をしたメイド達、

 次は女性騎士達だが鍛え上げられただけでなく、戦争やモンスターとの戦いで受けた傷があるのは、この異世界の過酷さ・残酷さを物語っている気がした。

 お風呂もいいが、メイドや女性騎士の裸体を拝めるのは女性化したメリットだな。

 お風呂場に入ると周りからの視線が集中するが、まさか変な所が出てないか心配になった。

「何てスベスベで綺麗な肌なの」

「人形のような美しさだわ」

「メイド服着させたら、可愛いだろうな……ぐへへっ」

「あの美しい肉体美、あの脚線美……鍛えたら最高の逸材だな……じゅるり」

 後半からは別の意味に聞こえたが、俺は聞かなかったフリをして周りに挨拶しながらシャワーを浴びた。

 薬草を使ったポーション湯は緑色で、隣の女性騎士が受けた傷痕も浴びただけで癒え始める。

「これは絶景・・……あっいや、気持ち良さそうで良いな」

「空も絶景だけど、外にも出られるよ。この国を景色を一望できるんだから」

 絶景違いと勘違いしてくれて助かった。

 外にも小さい浴槽があり、周りは木の板で隠されてるが十分、国中を眺めるのには最高の絶景だ。

「エクレールも出て来て、入ったらどうだ?」

 俺の中にいる彼女に声を掛けると、湯の中から姿を現した。

『生前は体を洗い流すだけでしたが、今ではこの気持ち良さがこの身……いえ、この魂に染みます』

 鎧姿だったエクレールは一糸纏わぬ姿となり、極楽気分で浴槽を楽しんでいた。

「お母様と最後に、お風呂に入ったのはいつだったかしら……」

『もう10年前になりますか』

「お母様が死ぬと分かっていながら、何もする事が出来なかった。貴女達を無駄死にさせてしまった……」

 セレナがエクレールの表情を見てどういう事を言おうとしたのか、まだ関係が浅い俺ですら分かる。

『セレナ様。それ以上はダメです!』

 何を言おうとしていたのか察して、セレナの言葉を遮って立ち上がり応えた。

『これは貴女のせいじゃないです。我々ローゼリア騎士団もヴィクトリア女王を救いたいのは同じ気持ちです。そして皆が命掛けた事に悔いはありません。クロエ様と出会えた事が我々は奇跡なのです』

「そうね。クロエ様がいなかったら、私達は今頃売られてたんだから」

 素肌同士でクロエにハグされると、俺の心の中に眠っている少年が目覚めそうになるな。

「のぼせて鼻血出そうだから、早めに上がらないとな……ははは!」

「長風呂は苦手なんですね。じゃあ次は女同士で背中を洗いっこしましょ!」

 その後……背中どころか、お互いの体を洗い合ってしまった。

 ♢♢♢

 脱衣所に上がると、セレナは変えの新しいミニスカドレスが用意してあった。

「クロエ様には私の仮の洋服をお貸しします。これからファッション防具屋にて新しい洋服をプレゼント致します!」

「そこまでしてくれるの? それは嬉しいけど大丈夫?」

「ここまで来たら、私の恩返しに沢山付き合ってもらいますからね!」

「ありがとう」

 セレナの洋服はミニスカドレスしかないのか?

 脚が風でスースーするし、いつ風で捲れるか分かったもんじゃないな。

 女性はファッションの為なら、我慢する生き物とクラスメイトのギャルが言ってたが、その心は異世界も変わらないな。

「ファッション防具屋に行くわよ!」

 普通のと何が違うのか分からないが、馬車よりも速いブレイドに風属性を付与して、ムササビみたいに滑空しながら風に乗り向かう事にした。

 ♢♢♢

「ここがファッション防具屋か」

 中に入ると、女性ばかりの客層だ。

 女性冒険者の為にファッションの嗜みとして、ファッション洋服に防具並の防御力・機能性を付与した洋服よりも高め設定となっている。

 安全性を確実に取りたいなら普通の防具の方が、防御力は高めで安定している。

「たっ……ッ!?」

 上下着類セットで金貨10枚、騎士用は金貨15枚、魔導用は金貨20枚と破格値段設定に言葉を失ったが、これは貴族が冒険者気分を味わう為じゃないのか?

 セクシー下着は明らかにベッドで戦闘する様な過激なモノもあった。

「心配しないで私のお金だから。クロエ様の戦闘スタイルは魔導系だったから。コレとコレなんかも良いんじゃないかしら?」

「これで何処を守れと……?」

 ファッションがメインであり、防御力は二の次なのか?

「私の目に狂いはない。絶対に似合うから!」

 まぁプレゼントしてくれる人に対して拒絶は失礼、その相手が王女様なら尚の事だ。

 着替え終わり、ドレスルームのカーテンを開いたらーー。

 女性客達が俺の新スタイルを見るな否や、鼻血を吹きだした。

 上はフード付き魔導衣服、下はハイレグ、両腰からはマントが靡いている。

「うぐっ! やはり私の目に狂いは無かったのよ」

 セレナは攻撃を受けてないのに、ダメージを負ったみたいなリアクションになる。そして満面の笑みを浮かべて、鼻血を流して喜んでいた。

「これのが良いのか?」

「クロエ様の丁度良い、ムチムチ具合の太ももが堪んないよ」

 セレナは俺の太ももに抱きついて、頬擦りをしている。

 ある意味では俺以上の変態がいて良かった……と思う事にした。

「そうだ。ヴィクトリア女王の為に、俺も聖属性とかは覚えたいんだけど、習ったら俺も使えるようになるの?」

「神聖教会・ローゼリア支部ならあるけど、シスターになって女神にお祈り捧げたりと色々大変だよ」

 ここからでも教会の十字架が見えたので、向かうことにした。

Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application

Dernier chapitre

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   62話 新たなる旅

     鍛冶工房に激しい金属音が響き渡る。 ―カンッ! カンッ! カンッ! さっきまで老人だったとは思えない美少女ドワーフ――デッケンが、上機嫌で槌を振るっていた。 神魔力を得た影響なのか、全身から淡い蒼白の魔力を噴き出しながら、真っ赤に熱した金属を何度も叩き続けている。『ふははははッ! これじゃ! これこそワシが求めていた力じゃあああッ‼︎‼︎ 魔力が絶えない、減らない、体に苦痛もない!』 いや、テンション高過ぎるだろ。 その度に鍛冶場全体へ衝撃波みたいな熱風が吹き荒れた。 普通の鍛冶師なら汗だくで倒れていてもおかしくないのに、デッケンはむしろどんどん元気になっている。『見える……金属の声が聞こえるわぁああッ! 完成じゃッ‼︎』 普通なら数日掛けて完成する武器が、3時間の末に完成したらしい。「どんなものができあがりました?」 デッケンの手にはロングソードが握られており、刀身部分には氷属性が付与されていた。「握りやすいし、何より軽いわ。これなら動きやすいわ」 シグルーンが刀身を振るう度に、氷属性の冷気がブワッと周囲へ広がった。まるでクーラーを浴びてるかのように冷んやり涼しい。『それと妹さん用の武器も作れたぞ、ほれ!』 予想外だったのかセレナも武器・氷属性付与された魔力杖を受け取ると、喜びながら感謝を伝えた。「私にも、ありがとうございます! では早速」 魔杖へ魔力を流した瞬間、《アイスボール》が次々と自動生成された。 しかもセレナ自身の氷属性魔力は一切消費していない。 さらに《アイスブースター》という効果まで付与されているらしく、氷属性魔法の威力そのものも底上げされていた。 初級《ボール》だけじゃなく、《アイシクルランス》という氷属性で創成された円錐型の槍が複数出現してカカシを貫いた。 この火山地帯は火属性モンスターメインだから、水・氷属性がかなり活躍出来そうだ。 自ら作った力作である氷の魔剣・氷の魔杖の効果を見たデッケンは、満面の笑みを見せた。『感謝を言うのはワシの方じゃ! まさかこんな簡単に創世級クラスの武器が作れるとは思わなかったわい』 デッケンは「うんうん」と頷きながら、いつもの癖で結んでいた髭を触ろうとしたが、そこには髭が無い事を忘れていたらしい。 慣れた様子で腕組みしようとしたが、膨らんだ胸に腕

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   61話 最強武具

     鍛冶屋の空気が一瞬で止まった。「……は? 今なんと言った?」 デッケンが目を見開いたまま固まっている。 俺の装備していた戦闘メイド服は、黒と蒼を基調とした禍々しくも神聖な色合いへ変化……というよりも進化していた。 氷属性鉱石だった部分には淡い蒼光が流れ、まるで生きているように脈動している。「創世級クラスに……なっちゃいましたね」「そんな簡単になられたら、鍛冶屋は廃業じゃぞ……だが! 近くで見てもよいかの?」 俺の許可を得る前から、既にドワーフの老人が間近にいるから鼻息が脚に当たっている。 下手したら生脚に興奮している変態オッサンだろうが、ここは一つ職人だからと目を瞑ろう。「ど、どうぞ」「何と神々しい姿じゃ! これが創世級クラスの防具とは!」 そして空気そのものが変わり始めた。 店内の異変に気付いて冒険者達が中に入って来ると、俺の装備を見て圧倒されていた。「何だその装備!?」「とっても可愛い、私も欲しい!」「俺もあんな見た目で、カッコいい防具が欲しいぜ!」「まさかデッケンさんがあんな伝説の防具作ったのかよ!」 ざわめき始める店内に慌てて、デッケンは冒険者達を外に追い出して看板を「CLOSED」に入れ替えて扉を厳重にロックした。「……ハッ! ワシにそんな技術あったら、王国から追い出されるわけなかろうて! 今日は大事な仕事で店仕舞いじゃ!」 俺達は奥にある鍛冶工房へと連れて行かれた。「お前さんらはちょっとこっちに来るんじゃ。……ふぅ、危ない危ない。危うくワシが作った事にされるところだった!」 自分がこんなモノを作れると勘違いされたら、他の冒険者達からも作ってくれと勘違いされるからな。 まさか思いつきで試しただけなのに、本当に出来るなんて俺も予想外だったからな。「デッケンさんに迷惑掛ける事になるとは、申し訳ないです」「ワシの事は気にせんと……お嬢ちゃん。お前さん、本当に何者じゃ? 創世級クラスの武器を一から作るならまだしも、最低ランクの一般級クラスから一気に創世級クラスまで進化させるだなんて聞いた事がないぞ!」 汗を流しながら、俺の戦闘メイド服を凝視している。「王国の女王ですよ。たまに長年愛用していた武具に持ち主の魔力が流れて成長する〜なんて

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   60話 鍛冶工房

     変なトラブルもあったが、防具の買い物は無事済ませた。 収納魔法・《インベントリー》から直接、服装を防具へと早着替えする事ができた。 内側から冷気が風に乗って全身へと循環するから、この山脈や火山地帯にいても暑さや熱気がほとんど感じない。 金属鎧特有の重さや圧迫感も無く、この服装のまま普通に眠れそうなくらい快適だった。「とても快適な気分です、ありがとうございます。クロエ様!」「動きやすいわ。コレなら戦闘も問題ないわ。ありがとね。クロエ」 姉妹の戦闘防具に不満はないみたいで良かった。 ミニスカだから、中が見えそうで見えない絶妙なラインが、男心を刺激するには十分だった。 そして戦闘メイド服の俺とニーナはというとーー。「こちらの方がご主人様を護衛するのに、動き易さ重視となっているみたいですね。ありがとうございます。クロエ様」「皆が喜んでもらえて良かったよ。まだ時間があるし、今度は武器を見てこようか」 俺の提案にシグルーンが鞘から剣を抜いて、刀身を確かめる。「それは良いけど、モンスターの弱点属性なんか気にならない程、神聖属性が強過ぎるわよ。それに斬れ味・強度・自動修復もあるから常に新品状態で戦っているようなものよ?」「まぁ旅をするからには、その地方の防具や武器に合わせた方が楽しいって」 ファンタジーゲームで新しい街に到着したら、武器や防具を新しく購入したものの、ダンジョンの宝箱で購入したのが出たりするんだよな。 あっ……すっかり忘れていた。 まぁ、この異世界のダンジョンが同じとは限らないし、買っておいて損はないだろう。 セレナが良い案を思いついたのか、手をポンと叩いて答えた。「リチャード王から鉱石のお土産を貰ったので、鍛冶屋に行って新しく武器を作ってもらうのも良いかもしれませんね」「そうだな、それも良いかもな!」 という事で制作した武具を武器屋・防具屋に卸している、鍛冶屋の元に行く事にした。 ♢♢♢ 中に入ると冒険者達が様々な武具を見回っているが、彼女達は氷属性付与された武具を装着してないのか、全身から汗が滝のように流れていた。 俺達は暑さ対策の防具を着てるから良かったものの、こんな汗だくのまま見回るだなんて正気の沙汰とは思えない。 特に鍛冶屋は常に炎を絶やさない様にしているから、室内だから外よりも更に気温・湿度が高い。 彼

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   59話 宿場町

     宿場町に到着すると、名前の通り殆ど宿泊宿が多い街並みだった。 ニーナが馬車を停めながら説明してくれた。 石造りの建物が街道沿いに並び、旅人用の酒場や武具屋、馬車修理屋まで揃っているとの事だ。 昼間だというのに大通りは活気に溢れており、冒険者、商人、貴族やその傭兵達が行き交っていた。 馬車の駐車スペースに荷車を置いて、馬も休憩させる為に馬屋に預けさせて、宿場町の通りを一通り観光する事にした。「おい、見ろよ。あの姉妹……」「貴族か?」「バカ、ローゼリアの女王とその妹だ。他国の女王が直々にドワーフ王国に何か用事……」「武具が必要って事は、どこかと戦争をおっ始めるつもりじゃねえか?」「それに護衛メイド2人の気配が違うぞ……」 どうやら俺とニーナは未だロイヤルメイド服な為、セレナとシグルーンの護衛メイドだと勘違いされているらしい。 それもそのはず、俺は女王になったとはいえ戴冠式もしてないし、隣国はラヴレスト王国くらいだからな。 ドワーフ王国の領土どころか、冒険者パーティなら知らないのも無理はない。 俺は4人に《念話》で会話する事にした。(余計なトラブルは起こしたくないし、皆がそう思ってるならそう思わせよう)(わかりました。私は誰のメイドと思わせますか?) ニーナの質問にセレナが食い気味に答えた。(私は断然、クロエ様が良いですわ)(私はニーナをメイドとして呼ぶわ) メイドが好きなニーナはウキウキで答えた。(わかりました。以後シグルーン様とお呼びします) そのまま俺達は、主人と護衛メイドという設定で動く事になった。 俺もここから口調を変える事にした。「ドワーフ王国へ向かう連中が多いですね」 「えぇ、特に最近は武具需要が増えているらしく、各国の商人達も集まっています」 商人達にとってはここで稼ごうと、露店商を開く事が多いらしいが……回復アイテム等は若干割高となっているのは仕方ない。(通常時がコレですから、クロエ様の宝石による輸出が増えれば、この宿場町も人が更に増える事でしょう) 露店商が並んでおり、少し歩くだけでも次々と商人達に声を掛けられたが、回復系アイテムは特に要らない為スルーしていた。「ささっ、そこの王族のお嬢様達、この武具を見てってくださいよ! これはドワーフ王国産の武具だよ」 武器商人に勧められて少しだけ見させ

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   58話 ラヴレスト王国を発つ

     翌朝。 太陽が昇り始めた頃、森の中を吹き抜ける風は心地良く、木々の葉を静かに揺らしていた。 朝靄に包まれた森は、地球の田舎道みたいで少し懐かしかった。 まぁ……盗賊も魔物も出る時点で平和とは程遠いんだけどな。 だからこそ、どれだけ頑丈な馬車を用意していても油断は禁物だった。 俺達は王城で一泊した後、ラヴレスト王国の正門前へ集まっていた。 ここで、リチャード達とは別れる事になる。 馬車の窓を開け、俺は最後に感謝を伝えた。「改めて、ありがとうございました。リチャード王」「だから王呼びはやめろっての!」 リチャードは豪快に笑いながら肩を竦める。「俺達はもう友好国なんだ。リチャードでいい」「では……リチャード。色々と世話になりました」「おう、それでいい! 世話になったのはこっちの方だがな。クロエ」 すると、リチャードが後方へ向けて手を振った。「おい、持って来い!」 馬車後方に控えていた作業員達が、一斉に荷物を運び始める。 積み込まれた木箱の中には、三種の鉱石。 さらに、この国の名産品である果実、干し肉、保存食、果実酒まで大量に詰め込まれていた。「こんなに……?」「ドワーフ王国まで二週間近く掛かるから、逆に少ない方かもしれん。だが旅の途中に宿場町で補給もできるから、心配しなくて大丈夫だ」 本当に面倒見の良い王様だ。 いや、俺が今まで出会った王達が良い人ばかりかもしれん、俺の優しさに皆が応えてくれただけかもな。 下手したら、俺の優しさにつけ込んで利用するだけの連中も現れるかもしれないしな。 まさか、王になったらなったで、大変な目に遭うかもしれない。  御伽話みたいに贅沢な暮らしばかりではないんだな……地球の歴史を振り返ったら、王となった人は暗殺されたり、信用していた家臣に裏切られたり……碌な末路を辿ってないな。「それと、私の戴冠式には是非来てください。諸外国との友好関係を結んだ後、正式に日程を決める予定ですので」「わっはっはっはっ! 普通は王が自分で動き回ったりしねぇんだがな!」 それに関しては、セレナとシグルーンも「うんうん」と顔を頷き納得していた。 リチャードは呆れたように笑う。「お前さんは普通じゃねぇ。そこらの軍隊より強いんだから好きに暴れてドワーフの連中を驚かせて来い!」「はい。では、また会いましょう」

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   57話 帰還

     王都へ帰還した俺達を待っていたのは、割れんばかりの歓声だった。 三種ドラゴンから採取した宝石は、既に大量に鍛冶屋・宝石商へ運び込まれていたらしい。「リチャード王が帰って来たぞォォォッ‼︎」「三種ドラゴン討伐成功だってよ!」「嘘だろ!? あの未攻略ダンジョンをか!?」 王城へ続く大通りには既に民衆が押し寄せており、窓から身を乗り出す者、酒場から飛び出してくる者までいた。「見ろよ……あの荷車、全部宝石だぞ……」「一生遊んで暮らせる額じゃねぇか!?」「あれだけじゃ済まねぇ……武器、防具、装飾品……全部が変わるぞ」「ラヴレスト王国は、本当に大国になるかもしれねぇ……!」 一番は冒険者ギルドにいた、冒険者達が外にまで飛び出してきた。 冒険者達の視線は、俺達というより荷車へ釘付けだった。 三種ドラゴンの素材は、本来なら国家級依頼でも滅多に手に入らない。 特にサファイアドラゴンの氷結鱗は、高級防具の素材として有名だ。 荷車単位で運ばれているのだから、騒ぎにならない方がおかしい。 リチャードは馬車の窓を開けるなり、いつもの豪快な笑みを浮かべた。「わっはっはっはっ! 今回はキャメロット王国より優秀なクロエ・ペンドラゴン女王陛下の協力により、三種のドラゴンを討伐しただけでなく味方に付ける事が出来た。コレは予想以上の収穫だった!」「途中から隠れてましたよね?」「バカを言うな。王とは最後に立っているだけで勝ちなのだ!」 とんでも理論なのは仕方ないが実際、王が生き残っているだけで良い。 民衆達はそんな事など気にせず、リチャード王へ歓声を送っている。 それだけこの国では、“生きて帰って来る事”そのものが価値なのだろう。 俺は馬車の窓から外を眺めながら、小さく息を吐いた。 ルビー、サファイア、エメラルド――。 三種ドラゴンをアンデッド化した事で、あの鉱山は今後、この国最大級の資源地帯へ変わるはずだ。 しかも今回は、それだけでは終わらない。 王城の中庭には既に、大量のルビー・サファイア・エメラルドが運び込まれていた。 王城でお抱えの鍛冶職人に加工してもらう事で防具・武器、はたまた7人の妻達の宝石やネックレスにもする事が出来る。  ある意味、7人分の宝石を買う無駄金を節約には十分だろう。「リチャード王よ! 見てください、この量を!」 興

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   10話 S級ダンジョン突入

     ローゼリア王国から少し離れた森の中にある場所にやって来た。  そこは神聖教会が管理している、庶民が亡くなった後に埋葬する墓場となっている。 普段はシスター達が《ホーリーフィールド》で墓場を"聖域"化させる事でアンデッド系・ゾンビ系の侵入、埋葬中の遺体に取り憑く事も防げる。 見習いシスター達の実力では、簡単に雑魚ゴーストが侵入されたりするが対処させる事で、聖属性魔法の訓練になるとの事だ。 地面から這い上がって来る雑魚ゾンビ程度も、見習いシスター達でも対象は出来る。 だがダンジョンゲートから続々と、高ランクのアンデッドモンスターがうじゃうじゃと湧いて出てくるのは、流石に対処は出来ない

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   05話 神聖教会

     ファッション防具屋から近かったから、割と数分で神聖教会・ローゼリア支部に到着した。「大きい教会だな」  教会は純白に染まっており、屋根には十字架が付いている。 ここに来る道中に少し教わったが、異世界にも曜日が制定されている。 昔はそんなの無かったのだが、俺みたいに異世界転移・もしくは転生して来た地球人が広めた可能性がある。 地球の教会みたいに毎週日曜朝から信徒達がお祈りに来て、聖母様が聖書の朗読をしているらしい。 地球では神父様と呼ばれているのに、異世界では女性版なんだろうか。「これでも支部だから小さい方だよ。中に入りましょ」 神聖皇国ルミナスにある

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   03話 呪われた女王 

     ブレイドのお陰で、短時間で森から脱出する事が出来た。 大自然の草原の先にはローゼリア王国が見えたが、10メートルはありそうな石壁によって中までは見えなかった。  新人冒険者パーティなのか、草原に徘徊するスライム、ゴブリン、ウルフと言ったモンスターを、鎧を纏った前衛、魔導服を着た後衛が苦戦しながらも討伐している。 彼等はブレードドラゴンが引っ張っている事に、目をギョッとして驚かせてしまったみたいだ。「もしかしてだけど、モンスターだと思って警戒されないかな?」『冒険者パーティの中には《テイマー》系がいますので、《テイム》したモンスターに荷馬車を走らせていると思っているのでしょう。それが

  • 目覚めたら美少女ネクロマンサーだった件   プロローグ 転生

     目を開いたら、仰向けになって寝ていたみたいだ。 周囲一帯は生い茂る木々に囲まれていて、天井は大きい木の葉が陽光を遮ってくれていた。 木の枝に止まっている見た事もない小鳥達だが、囀りの歌が良いから特に気にならない。 さっきまで体育の授業だったから、新鮮な風が息吹くと火照った体を冷やしてくれて心地良い。 深呼吸すると新鮮な空気が、都会の排気ガスで汚れた体を綺麗にしてくれる気分だった。 でも今はつまらない数学の授業を受けていて、疲労からか寝落ちしてしまったから夢……なのか? 起き上がるのも億劫に感じた俺は、もう少しだけここで夢を見ていたいと思っていた突如ーー。「グルギャオオオオッ‼

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status